経理のイメージと仕事内容

こんにちは。「経理と事務のまなび塾」、あやのです。

まなび塾では、経理、事務、オフィスワーク全般にまつわる話題についてお伝えしています。今日のお話は「経理」に関する事。テーマは「経理のイメージと仕事内容について」です。

経理のイメージ

さて、経理という言葉を聞くと、あなたはどんなイメージを思い浮かべますか?

  • 簿記の知識がないと、出来ないことだと思う。
  • 難しいし面倒だから、専門家に頼むもの。
  • 数字が苦手だから、私には出来ない
  • お金の計算をする事じゃない?

・・・といったところでしょうか。

もしあなたがどこかの会社で働いている場合、「経理部って、何をしているかよくわからないのよね」と思っているかもしれません。

経理の仕事をするために最低限の簿記の知識はあったほうが良いですが、簿記資格が必要かと言えば、そうでもありません。最低限の簿記知識とは、経理では「複式簿記」という方法でお金の動きを分類して入力・集計していている、この時の分類と集計の方法は簿記のルールに沿ったもので行うことを知っているということです。

少し簿記を勉強した方であれば、「仕訳」「借方や貸方」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。

ところであなたは、おこずかい帳や家計簿をつけたことがありますか? 

つけたことがなくても、おこづかい帳も家計簿も「お金の動きを記録しておくノート」だということは知っていると思います。

経理の仕事について、会社の規模にかかわらず大きく4つの仕事(後述します)に分けることができます。

そのうちの一つ、「会計記帳」は、この家計簿と同じなので、家計簿をつけることができれば誰にでもできます。

会計の記帳には「ルール」があって、そのルールが「簿記の知識」ということになります。

もしあなたが事業主であれば、経理の専門職になるわけではないので、簿記を勉強するというより、次の3つの事を意識すると良いかと思います。

1.会社の財産の増減にかかわるお金の動きは全て記録する必要がある。

2.お金を払った・貰ったという「証拠」は保管しておく。

3.現預金の残高、入金予定、支払予定はちゃんと把握しておく。

日常の経理の仕事は、大きく4つに分類

一言で「経理」と言っても、実は様々な仕事があります。経理とは、「経営管理」の略で、経営に必要な課題解決・目標達成・方針を決めるために必要な情報をお金の面からとらえて経営者や外部へ報告する立場でありそのための仕事をしています。

具体的には、法律に基づいてお金の動きを記録・集計して決算書を作る仕事、入金の管理や支払いをする出納に関する仕事、経営判断のために予算を管理や社内に向けての情報を収集整理する仕事、資金調達・運用にかかわる仕事があります。

経理の仕事は、(1)処理をするタイミングと(2)仕事内容(性質)、この2つの視点で分けることができます。タイミングとは、日々するのか、毎月するのか、毎年するのかということです。本決算は年に1度ですが、管理上、毎月(月次決算)、四半期ごと(3ヵ月毎)や半期ごと(6ヵ月ごと)に社内で行う決算もあります。

一般的に経理スタッフがしている日常の経理業務について、仕事内容の視点から次の4つに分けてみました。

1.記帳(会計入力)

記帳(会計入力)は、帳簿を用意して記入していくという作業です。最近は「会計ソフト」を使って入力作業をするのが一般的です。

会計ソフトについては、別の時にお話しますが、パソコンにソフトをインストールして利用する場合と、クラウド上のサービスを利用する方法があります。

クラウドサービスでは会計ソフトの機能だけでなくバックオフィス機能(勤怠管理や請求書作成など)がパッケージになっている形が増えてきています。

個人・法人を問わず、事業についてのお金の動きを記録して、利益を明らかにし、申告・納税という目的があります。そのために、日々の正確な記帳は欠かせないものとなります。

2.支出処理や入金管理

都度お金を払う場合もありますが、請求書をもらって後日振り込む場合もありますよね。また、こちらから請求書を送って、後日代金を頂く場合もあります。

仕入をしたり、経費を払う以外に、納税やお給料の支払いもあります。

いつどんなお金が出たり入ったりするのかを把握・集計し、振込作業をしたり、請求したお金が期日までに入金されているかの確認をします。

3.決算・申告

個人は毎年12月、法人は会計期間(1年間)のお金の動きを集計し、決算日時点での財産や利益を計算します。会社では会計ソフトで集計したものを専門家(会計士や税理士)に渡して、数字のチェック・調節・税金の計算、申告書の作成は依頼することがほとんどです。

経理担当者がすることは、数字と実際があっているか・入力漏れや重複はないか・営業内・営業外や原価と経費の分類を間違えていないかを気に掛けることです。専門家とやり取りを繰り返し、正確な帳簿・決算書類が出来上がるようにやり取りを繰り返していきます。

4.予算管理・資金繰り

記帳(会計入力)は、過去の数字の集計ですが、予算管理は未来の数字を集計すること。これまでの実績を分析して、これからはどこにお金をかけるべきか・どこを削るべきかを明らかにしてお金の使い方に関する計画を立てます。

資金繰りは、いつ・どんな内容で・いくら必要かを予測します。入ってくるお金が支払日より先になるようにやりくりしたり、不足しそうな場合は早めに調達の手続きを行います。常に3か月~半年先のお金の動きについて数字にまとめて必要に応じて更新していきます。

入ってくるお金(債権)が期日通りに入ってくるか、滞っているところはないかを確認しておくことも大切です。一般的には約束の期日に入金がない場合は取引先へ連絡をして入金を促します。

月末や年度末には、その時点での未払い・未収について集計して明らかにしておきます。現時点で預金や現金がいくらあるのか、帳簿と実際があっているかの確認も大切な仕事です。

経理は自分でやらなきゃ、ダメ?

仮にあなたがビジネスを始めるとしたら、経理も大切な仕事になります。

とはいえ、ビジネスのための時間を割くことの方が大切なので、コストをかける余裕があるのであれば、税理士さんや記帳代行の会社さんなどの専門家へ依頼することもできます。

ただ、まだ収入が安定していないときに、固定的な支出は増やしたくありませんよね。

まずは、経理の仕事にどんなものがあるかを知って、最初は全部自分でやってみる。そして、必要に応じて、自分の仕事から手放し、誰かに任せていくという流れがオススメです。

どんなことをしなくてはならなくて、どの部分をどれだけ人に任せるかということは、自分でやってみないとわからないからです。もちろん、ずっとご自身でやってもかまわないと思います。

会社の経理部でも同じで、最近は経理業務自体を外注する場合も増えてきました。とはいえ、まだまだ「経理部」というものが無くなることはないのでなないかともいます。ただ、仕事と人は減っていく傾向にあることを忘れないでくださいね。

経理の目的

個人でも法人でもビジネスを始めたら、経理についてはきちんと行うようにしましょう。

個人なら、毎年2月15日に始まる確定申告、法人なら1年に1回の決算に向かって、日々、数字をルールに従って記録・整理をしておくことです。

確定申告や決算については、また別の機会にお伝えしますね。

経理のイメージと仕事 本日のまとめ

◇経理の仕事のうち、記帳は家計簿やお小遣い帳を付けることと同じ。

◇経理は、お金の管理をして、申告・納税という目的のために必要で大切な仕事。

◇日常経理の仕事は、大きく4つに分けられる。それは、記帳(会計入力)、支出や収入の管理、決算・申告、予算管理・資金繰り

ここまで読んでいただき、ありがとうございます

「経理と事務のまなび塾」 彩典はるか

コメントを残す