【経理】請求書の作成 その方法や、システムを選ぶときにまず考える事

こんにちは。あやのはるかです。桜の時期は過ぎたけれど、チューリップやバラ、つつじなどが目を楽しませてくれるようになりましたね。桜の花を楽しめる時期は短いですが、そのあとも順番に色とりどりに咲いて私たちを楽しませてくれる自然の植物ってすごいなと思います。

さて、現在働いている会社で、請求書作成のシステムを導入したいなと思いリサーチを開始したのがちょうど1年前でした。ということで、本日のテーマは請求書作成について書いてみますね。

請求書作成についてどのような方法があるのか、業務についての見直しを意識したとき何から始めればよいか改めて考えてみました。

PCとペンの写真

    

よく見かける手軽な作成方法

これまで就業してきた会社で経理部に所属することが多かった私ですが、どの会社でも大量の請求書を発行したという経験はありませんでした。その後、経理部がない小さな会社へ入社し、総務部に配属・請求書作成の担当に任命され、多い月には500枚近くを一人で作成・チェックしていました。

そこでの請求書作成方法は、なんと「ワードの差込印刷」!! いえ、差込印刷が悪いわけではないのですが・・・・

差込印刷はひな形の文書(Word)を用意し、その文書の一部のについて付先ごとに内容を置き換えることができるとても便利な機能です。置き換えたい内容についてはExcelで作成し、WordではExcelのどよく利用されるのは、お知らせ文書で文面はそのままで宛先だけを変える場合や、ラベルを作る場合などです。

関連記事:差込印刷を利用すれば請求書も作成できる

小規模で請求書の月発行枚数が10枚や20枚くらいまでであれば、手書きやひな形に直接一枚一枚入力して発行している場合もあるかもしれませんね。この場合WordとExcelがあればできる差込印刷へ切り替えると効率が上がります。

ただし、請求品目が多く1枚に収まらない場合は、請求明細書を別に作って添付する形になるかと思います。また、請求書本体がWordとなるので、差し込まれる数字は文字列扱いとなるため、カンマが入った数字や日付を差し込むには設定が必要です。設定にはWord側でする場合と、Excel側でする場合があります。

システムを導入するほどでもない、けれど手書きや直接入力より効率化したい。整理された正しい内容の請求データがあり、請求内容はすべて同じ(品目の件数が同じ)であれば差込印刷が手軽で便利だと思います。WordとExcelはどの会社でも使っていると思いますので、新たにコストはかかりません。

差込印刷の請求書フォーマットサンプルは以下よりダウンロードできますのでよろしければ参考にしてみてください。ZIP形式で、差込文書(Word)と、差込データ(Excel)がセットになっておりサンプルデータが入っています。

差し込み印刷で作る請求書フォーマット

差し込み印刷でつくる請求書送付状サンプル

        

Excelの機能を最大限に生かし作成する方法

Excelのアイコン

請求書は、金額や日付情報が入っているのでWordで作るよりもExcelで作るほうが適していると個人的には思っています。

Excelで作る場合は、VLOOKUPなどの関数を組み合わせてデータを請求書のフォームへ取り込めるように設定して作る方法があります。枚数が少ない場合は、フォーマットだけ作って、1件ずつ作成/PDFで保存することを繰り返して作成することもできますが、こちらも枚数が多くなってくると、作業の繰り返しが大変です。

そこでExcelの機能を最大限に生かす用法、VBA(マクロ)を利用して自動化をして作る方法が考えられます。VBAは、規則性のある同じ作業を何度も繰り返す場合に便利ですが、勉強が必要で習得するのに時間がかかるし、VBAがわかる人がいなくなってしまったら、不具合が起きても修正できず使えないものになってしまいます。

差込印刷もVBAや関数を利用して作るExcelの請求書も、コストを気にせずに手軽に導入できる一方、実際に作業に当たる人に知識が必要です。請求書の作成だけでなく、請求書の管理の視点から見れば不便なことも多いのではないでしょうか。

もし、VBAdで請求書を作成するのであれば、部署全員で勉強してスキルアップしていくことが大切だと思います。

ExcelやWordを活用するには限界だと感じたときに、専用のシステムを検討することになりますが、その時にまず何から始めればよいでしょう。このことについて考えてみましょう。

    

さあ!システム導入しよう!! でもその前に

2020年度よりリモートワークを取り入れる企業が増え、紙の書類を減らす(または廃止)・クラウドでできる仕組みを取り入れないと業務に不都合だと気づく人がも増えてきたと思います。クラウドのサービスについて、ここ1年で種類が増え広告もよく目にするようになりました。

けれど、時代の流れに乗り遅れない事だけを理由に焦ってシステム化をすると、後で活用ができずに困ってしまうことになります。

請求書作成についてシステムを導入する場合、世の中にあるたくさんのサービスから自社の実情に合ったものを探すために、まず何から始めればよいのでしょうか

自社の状況により何がベストなのか異なるので、スピードは大切だけれども時間をかけなければならない部分があります。それは私自身の経験上、まずは自社の状況を整理して目的(未来のあるべき姿)を明確にすることとだと思っています。

請求書作成を含めた業務全体の見直しも同時にするのか、請求書作成だけをシステム化すればよいのか、顧客管理自体から見直すのか、現在自社で使っているシステムを生かしてそれに付加するのか、会計ソフトとの連携も考えているのか・・・。

システムのリサーチから始めてしまうと、口コミや有名なもの・値段に目を奪われがちですが、目的に沿わないものを導入してしまう可能性があります。導入してから活用できなければ意味がありませんので、目的を決めることはとても大切です。

目的を決めたら、次にすることは現在の状況と掛けることができるコストを明確にすることです。現在の問題点は〇〇、今後実現したい形は●●、なので、足りないもの・余分なものは■■だ・・ということをリストアップしていきます。これらのことを明確にすることでシステムの導入が不可欠だということがわかるので、それからシステムのサーチを始めることをお勧めします。

   

最後の仕上げは、リサーチと検証

リサーチする前には、機能チェックリストを作ることお勧めします。どうしても譲れない機能(必須機能)、譲歩できる機能(代替できる機能)、あれば嬉しい機能などです。

良く広告を目にする・良い口コミが集まっているシステムが自社にとってもベストだとは限らないことは、システムのリサーチをして実際にそのサービスを使ってみるとよくわかると思います。

リサーチの結果、自社に合いそうなシステムを3つくらいに絞り込んだら、お試し期間を利用して順番に試してみます。システム導入のプロジェクトに集中できるのであれば、3つ同時に試しても良いのですが、一つずつ丁寧すべての機能をすべてを使ってみるほうが失敗がありません。

本当に合わないものは、1日使うだけでわかります。出来れば、請求書作成にかかわる人全員がお試し期間の間十分に操作できる機会があればいいですね。

リサーチと並行して、社内の理解を得るための資料作りも進めて、システムを決めたらすぐに導入できるように社内調整も丁寧に行うとよいです(なぜか、新しいことをしようとするとストップをかける人がいるからです)

使い勝手(誰にでも使いやすいか)、画面はわかりやすいか、コストに見合う効果が得られそうかなど、チェックリストと合わせて最終判断しましょう。

今日の記事はいかがでしたでしょうか。新しくシステムを導入するということは、現在の業務を見直す良い機会ですよね。何か参考になる点があれば幸いです。ここまで読んでいただきありがとうございました。

経理と事務のまなび塾 あやのはるか