差込印刷機能で、請求書も作ることができる

こんにちは。今日は、差込印刷という機能と手順などについてお伝えします。

差込印刷は、Wordで作った文書のある一部分を変えて複数枚作成したいときに、変えたい部分のデータを別途Excelで作ってそのデータを差し込むことができるという便利な機能です。

例えば、採用活動をしていて採用・不採用の通知を作るとき宛名部分に差込の設定にすることで複数の応募者へ送る文書が完成です。事務の仕事をしていると、差込印刷の機能を利用して文書の一部分を変えるというケースは結構多いと思うので、覚えておくと便利ですね。

郵送するときの「宛名ラベル」も作ることができます。

Word初心者には少し難しい機能ですが、「こんな機能があるんだ」と知っていれば、いずれ仕事で使う機会が来ると思います。その時にじっくりと試してみてくださいね。

差込印刷の基本となる手順

差込印刷にはWordとExcelを使い、手順は次のようになります。

  • STEP1 Wordではひな形となる文書を作る
  • STEP2 Excelでは差込で変化させたい項目を表にする
  • STEP3 Word側で文書内にフィールドの設定(Excelファイルの指定、指定したファイル内の項目を差込むのか)
  • STEP4 必要に応じてフィールドコードの設定を行う(書式スイッチの設定)
  • STEP5 差込印刷を行ってうまく差込が行われているかの確認をする
  • STEP6 必要に応じて文書ごとに微調節をする(個別文書の編集)

問題なく差込ができるていることを確認したら、Wordは「テンプレート」として保存しておくことをお勧めします。差込んだ結果については、別途保存してから編集作業・確認をして印刷(またはPDFとして保存)するとよいでしょう。

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メリット、デメリットについて

自由度が高い(設定は自分でできる)、手軽でコストはかからない(WordとExcelがあればOK)ということがメリットの差込印刷ですが、もちろんデメリットもあります。

Wordへ差し込むデータは差込個所は何か所でも設定できますが、「文字列」が適しています。Excelのデータは「入力した状態」で差りまれるため日付やカンマが入った金額については少し工夫が必要です。

数字をカンマ区切りにしたり日付を2021年4月30日という形にExcelで書式設定したとしても、Wordでは「ただの数字」として差込まれてしまうのです。請求書も作れる差込印刷ですが、日付や金額がたくさん入った文書にはあまり向いていなので、請求書のフォームはExcelで作成したほうがいいかもしれませんね。

文書によって、差込項目の数が違う場合、差込後の個別編集(不要な個所を削除するなど)に時間がかかることがあります。また、差込項目の文字列の長さに極端にばらつきがある場合Wordはひな形の文書のレイアウトが崩れやすいためそのための修正が必要となることもあります。

差込印刷 サンプルを確認してみよう(ダウンロード可)

作成例として、シンプルな請求書の送付状を作ってみました。ファイルはダウンロードできるので、「差込印刷って、どんな感じのもの?」ということを実際に操作してみて確認するためにご利用ください。Word・Excel共にバージョンはoffice365ですので、お使いのWord・Excelのバージョンが違う場合、画像と表示が違うことがあるのであらかじめご了承ください。

差込印刷サンプルデータ(請求書送付状)はこちら ※zipなのでダウンロード後展開してご利用ください。

最初にこのファイルで差込印刷を行うとき、Wordを開いてからExcelのファイルを指定するという作業が必要です。

次のようなメッセージウインドウが出たら、「いいえ」を選択します。

文書が開いたらメニューから<差込文書>→<宛先の選択>→<既存のリストを使用>の順にクリックします。

データファイルの選択ウインドウで、先ほど保存したExcelのデータを指定してください。

テーブルの選択というウインドウが出るので、「請求書送付状」(上)を選択してOKしてください。

差込結果を確認するには、<差し込み文書>→<結果のプレビュー>をクリックします。(黄色で囲った部分)

以下の画像は、結果のプレビューをする前の状態です。

結果のプレビューを押すと、下記のようになります。「取引先名」と「送付日」にデータが差込まれたことが確認できます。もう一度結果のプレビューを押すと、上記の画像の状態に戻ります。また、結果のプレビューに数字が表示されている窓がありますが、右の三角をクリックすると、次のデータが差込まれた状態を確認できます。

差し込み印刷を利用した請求書フォーム(ダウンロード可)

請求書フォームも差込印刷でサンプルを作ってみました。請求書の、小計・消費税・請求合計はワードで計算式の設定をしてあります。日付は、Excelで「TEXT関数」を設定してあるのでWord側での設定はしていませんが、カンマが入った状態で表示されています。金額の部分については、Wordでで「フィールドコード」を設定しています(\#,##) 

サンプルフォーム(差し込み用文書:Word、差込データ:Excel)はこちらからダウンロードできますのでご利用ください。(ZIP形式となっています)

差し込み印刷 請求書フォームのダウンロード

まとめ

差し込み印刷を文字情報だけで伝えるのはとても難しいので、動画などでお伝えできる形を検討中です。

サンプルファイルを実務で使うには、Excelのデータや、Wordの文書の修正が必要です。Excelの表見出しの名称を変更した場合、Word側で再度フィールドの設定が必要です。

一度ご自身で簡単な文書を作り、データを一か所差込むようなものを作ってみましょう。書籍を参照する、ネット検索で情報を集める、ヘルプを利用して実際に操作をすることでまなびが深まると思います。

何度も作っているうちに、コツをつかみ早くできるようになったり、複雑なものを作ることができるようになります。私も、一度作成しても時間がたつと忘れてしまうので、何度もまなび直ししています。以前にやったことを時間をおいて取り組んでみると新しい発見をすることも多いです。

一度覚えて、忘れる。また覚えて、忘れる。これを繰り返すことで記憶に定着し、忘れなくなるそうです。2度3度の繰り返しで忘れてしまってもそれは当然、15回くらい繰り返すといいそうですよ(笑)

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

まなび塾 あやのはるか